◆エムケンオピニオン第一回(2003年4月号) 326部長

■2003年5月号へ   ■2003年12月号へ


『作法・無作法』(吉田健一)


 

どうも、初めまして。こんど、新しく「早稲田ミックステープ 研究会」の部長になりました326というものです。どうぞよ ろしくお願いします。「会長」じゃなくて「部長」?って、今 ごろ気になりました。まあイイヤ。
  僕達の事を簡単に説明しますと、学生や社会人の、基本的には 音楽好きが、毎月、各自が創ったミックステープ(CD)を居酒 屋に持ち寄って、ワイワイ、ガヤガヤ、音楽だったり、プロレ スだったりの話しをして、まあ、楽しい一時を過ごしましょう !っていうのをモットーにしています。興味を持たれた方がい らっしゃいましたら、お気軽にメールなり掲示板に書き込んで 下さったら嬉しいです。 さて、今月からココにコラムを載せようってことで、僕がトッ プバッターなんですけど、ちょっと前に読んで、心に残ってい る本について書かせて頂きます。



「戦争をなくす唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それ に執着することだ」

吉田健一
評論家・小説家
明治45年(1912)〜昭和52年(1977)
65歳没

もともとは、リラックス(雑誌)とか、ピチカートファイブの レコードジャケットに、この一文が引用されてて、気になって いた本でした。で、ある時、色々と調べて、実際に読んでみた んですね(絶版みたいで、大学の図書館の地下にある「持ち出 し厳禁」の所にあった!)。そしたら作者の吉田健一は、元首 相の吉田茂の息子で、幼い時から当時外交官だった父の都合で 欧州や中国の各地で生活してて、文を読むと良くわかるんです けど、国際感覚だとか、教養だとか、観察力だとか、そういっ たのがなんか溢れていて、なおかつ粋な人だったみたいで、と にかく、この言葉に物凄く説得力が在るんですよ。
正直、初めは言葉の響きだとか、視点の新しさに惹かれたとい うのがあったんですけど、実際に自分の体験に照らし合わせて みても、この言葉が納得できたんですね。例えば、学校のテス ト前とかに、全然勉強してなくてヤバイって時に、「学校が火 事にならないかなー」って思ったりして。なんか、自分自身が 不安定だったり、生活が満たされてなかったりすると、自分自 身を変えることよりも、周囲の環境が変わってソコに自分が努 力しないで結果的に受け入れられるほうが楽だし。少なくても 僕は無意識にこう考えていたのかなーと。で、これの究極が、 もしかしたら戦争なのかなと、僕は解釈したんです。
今回のイラクの戦争も、色々、政治だとか石油の利権だとか複 雑に絡んでいるみたいだけど、70%以上のアメリカ国民が支 持しているのは、もしかしたら、個人個人の心の奥には、こう いうことも関係しているのかなと。根拠はないですけど。でも 、確実に言えるのは、自分に自信とか余裕、ゆとりがあったら 、相手のことを思いやる気持ちとか自然に生まれるし、そうし た一人一人の意見が世論、社会を作るんだろうから。
なんか、大袈裟に偉そうな事を書いてしまいましたけど、僕は 、音楽を聴いたり、本を読んだり、みんなでワイワイ飲んだり している時、とても満たされた気持ちになるし、優しい気分に なったりするんですよ。その時は誰かを傷つけようとかは絶対 に思わないし、その「美しい」状態に「執着」しているんだと 。僕にとっての音楽だったり読書だったりするものは、一人一 人それぞれなんだろうけど、M-研が少しでもそのことに係わる ことができたら、なんか、じんわりと嬉しいなって思ってるん です。(おわり)

 


■2003年5月号    ■2003年12月号へ